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7月10日

 新作の紹介。まずは昨日投稿したばかりの「向日葵(ひまわり)」という作品。

 説明文にも書いたが、結構ダークな歌詞である。カミュの「異邦人」で、主人公のムルソーが殺人を犯した理由を「太陽のせい」とうそぶく。それをもじって「向日葵のせい」としたのがこの曲の元詩である。詩の中には具体的に彼が何をしたのかは書いていないが…。
 向日葵に限らず、花はよく見ると皆けっこう不気味である。生殖器官であることを考えれば、どことなく隠微な雰囲気もある。それを表現しようと思った。中に出てくる「孔雀殺し」というのは、三島由紀夫の短編小説「孔雀」あたりから発想したのだろうと思う。とにかくも、不穏な詩ではある。
 作曲用に書いた詩ではないから、きれいな同形反復メロディーにならないのはいつもの通りだが、歌い出しの「向日葵が」のメロディー、「レドミソラ」を繰り返し使って統一感は出している。これは意図してやっているわけではないが、鼻歌を歌っているうちに自然と出来てくるのだ。
 詩の三連目にAマイナーからDへ転調する。これも歌っていて自然にそうなった。マイナーからメジャーになり、マイナーに戻って終わるという曲は世にあまたあるが、たまたま今思い出したのは久保田早紀の「異邦人」であった。
 映像の方は安直に向日葵の画像をたくさん使った。数年前の夏に蓼科で撮ったものだが、静止画ばかりなので、動画編集ソフト(アドビ・プレミアエレメンツ)の「パンとズーム」エフェクトを使って動きを加えてみた。移動する前と後の画像の範囲を指定するだけで、自動にパン(本来は横異動の意味だが、縦や斜めの動きも含まれている)やズームを設定してくれる。ホントに何でもできるんだなあと思う。

 次に「物語」。

 この曲の元詩は、第一詩集の冒頭に置かれ、表題の一部にもなった詩なのだが、いかんせん古すぎて、どういうつもりで書いたのかは全く覚えていない。「出会う前に別れる」とか「見知らないままの別れ」というのは、僕がこの頃書いた詩に多用していたフレーズである。
 実はこの詩の冒頭は、子どもの頃読んだ天文学の本に書いてあったことをほぼそのまま使っている。「小宇宙同士が衝突する確率は太平洋に放した二疋のハエがぶつかるのと同じくらい」だと書いてあったと思う(よくは覚えていないが)。
 なんとか字句をほとんど変えないでできたが、我ながらヘンテコな曲だ。だからという訳ではないが、アレンジのパターンはピコポコとテクノポップ風(古っ!)にしてみた。楽器なんか何一つできないのに、こういうものが作れてしまうのは楽しい。
 映像は、東伊豆を走る伊豆急の車窓から海を撮ったもの。本当は大雨だったのだが、コントラストと色補正でまあまあ晴れた海になった。女性の絵が出来上がっていく過程は、流行のタイムラプス風にしたかったのだが、あまりうまくいかなかった(お粗末サマ)。

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