歴史、古文書

古文書等を通じて知った新しい歴史の視点

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「象徴」とは何か

3月24日  少し前の話だが、3月13日の朝日新聞のオピニオン欄に、「象徴天皇制を問い直す」と題する意見記事が載った。政治学者の原武史に記者がインタビューしてまとめたものである。メディアでの発言が「おおかた無難に編集されてしまう」という原が...
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気になる言葉「復興」

3月12日  古文書を読んでいると「修覆」という言葉に出会うことがある。「修復」と同じなのだが、「修覆」の表記が圧倒的に多い。災害などで破損した建物をもとの状態に戻すことである。寺のお堂などが被災した際、「修覆」費用を調達するための「出開帳...
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歴史とは何か、または「民主主義の行方」

12月30日  少し前のことだが、朝日新聞の「異論のススメ・進むべき道が見えなくなった 佐伯啓思さんが考える日本の現在地」という記事を読んだ(12月16日)。佐伯は山本七平を引用しながら、概略次のようなことを述べていた。 日本は1945年の...
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「帝銀事件と日本の秘密戦」

7月29日  今、音訳に取り組んでいるのは、「帝銀事件と日本の秘密戦」(山田朗著)という本である。この本では帝銀事件の捜査にあたった、甲斐文助捜査一課係長の「捜査手記」からの引用を中心に考察しているのだが、これを読んで731部隊や登戸研究所...
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「世界は五反田から始まった」を読む

2月19日  この本を読む気になったのは、もちろん評判がいいからだが、もともと「五反田」という土地には愛着があった。著者言うところの「大五反田」(五反田駅を中心に半径2kmの円内)にある学校に十年ほど勤務していたし、円のすぐ外側の学校にも長...
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「新しい戦前」

1月24日  タモリが、今年は「新しい戦前になる」と言った。僕は見ていないが、報道によれば昨年末の「徹子の部屋」で、来年はどんな年になるかという問いにそう答えたのだという。司会の黒柳徹子はそれ以上質問せず、タモリもそれ以上は何も言わなかった...
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埼玉県の「悲劇」

8月1日  先日、久しぶりに電車に乗っていると、若い男の子たちが話している声が聞こえてきた。埼玉県と千葉県のどちらが上かと言いあっているようだ。TVの「ケンミンショー」などでよくやってるやつだ。曰く、千葉にはディズニーランドがある、国際空港...
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愛に就いて

古文書で見る「愛」の字は猛々しく、優しさが感じられない。「愛」は和語にはない、外来の思想である。
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作られた伝統

恵方巻、神社の参拝ルール、江戸しぐさ、パワースポットに御朱印帳など。もっともらしく作られたニセの伝統について。
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「士農工商」は、制度ではなくイデオロギー

身分の序列を意味する、制度としての「士農工商」は、実体として存在はせず、あくまで儒学者たちが唱えたイデオロギーだった。近代以降の教育で、明治新政府の「四民平等」を称揚する際に、対立概念として強調され、広まったのである。