偏愛する藝術
「眠る人」~YouTube
9月26日 新作の紹介。 この「眠る人」という詩は、中井英夫の「眠る人への哀歌」にインスパイアされたものであることは間違いないが、原詩の清澄さには遥かに及ぶべくもない。前に紹介した「物語」という詩のテーマである、「未だ出会わざる別れ」も...
「わかりやすさ」
6月8日 詩人でフランス文学者の入沢康夫(1931~2018)が亡くなる少し前に、「前衛的な冒険が目の敵にされるようになってきた。『ちょっとやさしくて』『ちょっと悲しくて』『ちょっとはみ出して』、結局うんと保守的で、本当にはみ出した者には...
「光る君へ」と源氏トリビア⑤
3月28日 (ネタバレ)「寛和の変」の後はしばらく大きな政変もなく、どうやってつなぐのだろうと思っていたが、やはりこの脚本家(大石静)はただものではないというか、いろいろな小技を仕掛けてきた。なんといっても一条天皇即位式の「生首」。以前こ...
「光る君へ」と源氏トリビア④
3月13日 (ネタバレ)「光る君へ」は第十回にしていよいよ花山院が出家した。いわゆる「寛和の変」である。このあたりの描写は「大鏡」の記述通りだった。牛車が土御門大路の安倍晴明の屋敷の前を通るのも「大鏡」の通り。この場面は僕も何度か古典の授...
大正浪漫三部作 ~とりわけ「ツィゴイネルワイゼン」
2月22日 昨年は鈴木清順の生誕百年だったということで、代表作の「ツィゴイネルワイゼン」「陽炎座」「夢二」が4K修復された。大正浪漫三部作などと呼ばれているらしい。それが日本映画専門チャンネルで放映されたのを見た。前二作は封切り時に観てい...
「光る君へ」と源氏トリビア③
2月14日 ドラマは第6回にして、清少納言(演‐ファーストサマーウイカ)が登場した。 僕は現役教員時代、真ん中に一条天皇、両脇に二重線を伸ばして中宮定子と中宮彰子、定子から線をのばして清少納言、彰子からは紫式部、という「相関図」を書いて関...
「光る君へ」と源氏トリビア②
1月25日 藤原道兼による紫式部の母の殺害について、前回の投稿で「当時の貴族にとって死は『汚れ』であり、血を見ることは禁忌だった」はずだと指摘した。放送第二回で、道兼は父兼家からその点を追及され、結果として汚れ仕事を強要されることになる(...
「光る君へ」と源氏トリビア
1月13日 大河ドラマはもう何十年と見ていなかったが、紫式部の物語とあっては「自称・源氏読み」として見ないわけにゆかない。番宣番組や、源氏物語を特集した番組も含めて見てみることにした。 てっきり劇中劇のような形で源氏物語を入れるのだと思っ...
「ゴジラ-1.0」を見た
ゴジラ-1.0の感想。 12月8日 「ゴジラ-1.0(マイナスワン)」を観た。ゴジラ生誕70周年記念(正しくは来年だが)、国内30作目のゴジラである。実に面白く、2時間5分が短く感じられた。評判も上々のようだ。成功の要因はいくつかあるが、...
NHK夜ドラ「わたしの一番最悪なともだち」
「夜ドラ わたしの一番最悪なともだち」を視聴した。よかった。これまであまり見たことのないタイプのドラマだと思った。