7月4日
スカイツリータウンのプラネタリウム「天空」を見る。17時15分の回。アロマ付きというので嫌な予感しかしなかったのだが、マスクをしていたせいか香りはそこまで気にならなかった。だが肝心の内容はというと…。
そもそもプラネタリウムとは天象儀などと訳され、天体の運行を正確に再現して見せる装置である。「planet」という文字が入っているのは、恒星に比べて地球に近く、太陽の周りを公転している惑星の複雑な動きを再現するのが難しかったせいだろう。今ではコンピュータで作画して投影するので、昔のような大掛かりな装置は必要なくなった。それでも伝統的(?)なプラネタリウムの番組構成は、まず東京なら東京のその日の夜空を見せるというものだった筈。今は様々工夫されているようだが。
ところが何故か、晩秋から冬にかけての夜空から始まった。最初に紹介されたのはシリウス、次はベテルギウス。それはいいだろう。全天一の明るさの星と、爆発が近いかもと今話題の星だから。だがその後、なぜかリゲルもアルデバランもスルー。せっかくプレアデス星団(昴)が綺麗に見えているのに言及はなく、カストルとポルックス、レグルスと進んでいく。季節を追っての一等星シリーズ(カストルは二等星だが)と思って見ていると、スピカで唐突に終わってしまう。45分間の番組だが、夜景や花火、蛍、オーロラ(?)などが写し出される時間が長く、天体部分の正味はせいぜい30分強と言ったところ。再び夜空に戻り、今度は天の川の話題。ここでも何故か牽牛(アルタイル)と織女(ヴェガ)には一切触れず、はくちょう座も無視。解説はいて座から始まり、次はさそり座。今回は一等星には触れず、だからかアンタレスもスルー。そのさそり座がなんだか妙に高い位置にあると思ったら、そこから夜空はありえない動きをして、ケンタウルス座、さらに南十字座。日本からは見えないという説明もないまま、カシオペア座が見たこともないような角度で見え、このまま天の川に沿って全天を一周するのかと思ったらこれまた唐突に終わる。どういう人が構成を考えているのだろう。なお、スクリーンが真球ではないのか、端に行くと星座がひどく歪む。
ナレーションは上白石萌音。ネットでは批判的な書き込みが目立つが、個人的に好きな女優さんである。もともとお人形さんのような美形よりファニーフェイス系が好きだし。事務所の力等とも言われているが、それは事務所が力を入れるだけのものがあるということではないのかと思う。ただし、ナレーションとなると話が別。声が高くて薄い。昔、久米宏が小宮悦子に低い声で読んだ方が知的に聞こえるとアドヴァイスしたという話がある。高い声はどうも僕は苦手なのだ。アニメ声優の甲高い声など鳥肌が立つほどだ(あくまで個人の意見です)。もっとも、ナレーションの内容の薄っぺらさは上白石萌音の責任ではない。
終わり近く、「見上げてごらん、夜の星を」が流れる。ヒーリング効果?音響は素晴らしい。終わって、「歌がヤバかった」という声があちこちから聞こえてきた。見回すと周りはカップルばかり(まあ僕も妻と二人なので、ある意味カップルではあったが)。面妖なものを見てしまった。口直しにかわさき科学館のメガスターでも見に行くとしよう。
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