IT弱者、「シンガーソングライターLite」を使ってみる。

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11月24日

 「IT弱者」ゆえに、ブログを思い立ってから実際に開設するまでに時間がかかったことや、その後の苦労については以前にも書いた(昨年12月11日投稿)。若い頃から新しいもの好きで、時代の先端を行っているつもりだった僕が、気付けば周回遅れになっていたことも(昨年12月17日投稿)。
 そんな僕だが、昨年は動画編集ソフト「アドビ・プレミア・エレメンツ」を使って、高校時代に作った8ミリ映画を再編集したりした。僕なりにいろいろ頑張っているのだ。そして今回は音楽制作ソフト「シンガーソングライターLITE(Singer Song Writer Lite 以下、SSWL)」を試してみた。
 この欄には音楽についても利いた風なことを書いている僕だが、実のところは楽器が何も出来ず、譜面の読み書きもできない。そこで鼻歌をそのまま楽譜に出来るソフトを試してみたくなった。スマホのアプリでも似たようなものはあるが、どうせならPCでと思ったのは、ヴォランティアのデイジー図書(デジタル録音図書、昨年10月17日の投稿参照)の製作のために接続しているオーディオインターフェースと外部マイクがそのまま使えると思ったからだ。
 SSWLの最新版は10だがダウンロード版しかなく、パッケージ版は9のみ、10に無償アップグレードできるということでこっちにした。7,600円也。
インストールの手順は、
1 DVDを入れて、SSWL9をインストールし、アクティベート(製品認証)する。
2 SSWL9を起動すると、「マイページから、SSWL10にアップグレード」するか聞いてくるので、マイページにログインし、さらにサイドバーから「ダウンロードセンター」を開き、必要事項を打ち込むとダウンロードが始まる。ダウンロードには小一時間かかる。
3 ダウンロードしたファイルをクリックして、10をインストールする。9をアンインストールする。アクティベートも忘れずに。
 こう書くと簡単そうだが、2が特に大変だった。こういう手間が厭だからパッケージ版にしたのだが、最終的にネットでダウンロードするのは同じなので、完全に二度手間である。パッケージ版には600ページもあるマニュアルが付いている(当然ながら10で加わった機能の説明はない)が、こういうものが必要ないなら(僕には必要。オンラインマニュアルにはどうも慣れない)、最初からダウンロード版を買う方が圧倒的に楽だ。
 いよいよ使ってみる。インターフェースをつないで、SSWLを起動し、オーディオポートの設定をする。新規作成画面にソングファイル名「夏」と打ち込み、OKをクリックするとプロジェクトが開く。「自称詩人」なので、過去に書いた詩はたくさんある。それにメロディーをつけて歌ってみようと思った。「夏」は一番短い詩で、「自転車の車輪は夏空の軋み/叢の向うに青い空が見える/アゲヒバリにさそわれ/僕もまた 夏の中に/墜ちていった」(拙著「詩集  物語/世界」所収)と、たったこれだけだ。
 「スコアエディタ」という画面を呼び出して楽譜を作る。方法はいろいろだが、まずはやはり「鼻歌入力」を試してみる。「演奏」から「シングtoスコア」を開く。メトロノームボタンをONにするとインターフェースにつないだヘッドフォンからメトロノーム音が出る。早速歌って、結果を聴いてみた(音色はいろいろ選べるがビブラフォンにした)。出てきたのは歌った(つもりの)メロディーとは似ても似つかないもの。その後、キー(高さ)を変える、「ルール―」「ウーウー」と歌い方を変える、いっそもとの詩のまま歌ってみる、スタッカート気味に歌うなど色々試した。最初よりは改善したもののやはりうまくいかない。いくら何でもここまで音痴なはずはない。音が安定しないのは雑音を拾ってしまうせいか。マイクとインターフェースの性能が足りないのか。特にマイクは20年以上前の古いものだ。10回ほど歌ってもう今日はこれまでとあきらめた。なんともショックである。とりあえず保存だけはしておく。その晩はマニュアルをよく読んだ。
 再開。まずこのぐちゃぐちゃと汚い楽譜をどうにかしなくてはいけない。そこで、録音のずれを修正する「クォンタイズ」という機能を使ってみることにする。わちゃわちゃしたところを選択して、編集ダイアログからクォンタイズを選ぶ。8分グリッド(最小が八分音符)を選択すると、すっきりした綺麗な楽譜に変わった。聴いてみると音痴はあいかわらずだが、これなら何とか直せそうな気がしてきた。ここからは手作業。出だしの「じ・てん・しゃ・の」は、「タ・タン・タ・タン」のリズム。3音目が八分音符のはずが四分音符になり、4音目が消えてしまっていた。まずはここから直さなくてはならない。消しゴムモードボタンで間違った音符を消し、ノートパレットから必要な音符を選択して貼り付ける。何度も聞き直しながら音程を調整する。少しずつだが慣れてきた。音程が違うだけで正しい位置にある音符は矢印キーで半音ずつ音の高さを変えるだけでいい。14小節直すのに結局1時間以上かかったが、なんとか最初のイメージに近いメロディー(の楽譜)が出来上がった。
 続いてはアレンジ。自動の「コード進行判定機能」を使ってみる。必要部分を選択してからアレンジパネルの「コード判定」をクリックすると後補が4種類示される。一つを選んでコード入力をクリックすれば終わり。次に「EZアレンジ」をクリックする。様々なジャンルが示されるので試聴してみた。フォークを選んで「EZアレンジ」をクリックする。これだけで伴奏が出来上がる。通して聞いてみると自動判定のコードがメロディーとあっていないように思えるところもあるが、初めてにしてはまあ上出来だろう。音声ファイル(mp3)に書き出し、楽譜を印刷する。
 さて、問題はこれからだ。7,600円という金額は、ちょっと高めのおもちゃと思えば後悔はない。だがこれから本気で「作曲」するなら、「鼻歌」の精度を上げる(マイクを新しくする?)か、入力用のMIDIキーボードを買うかしなくてはならないかもしれない。悩むところだ。

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