「日盛り」「読書室で」~YouTube

音楽、絵画、ドラマ

3月7日

 久しぶりに動画を二本投稿した。まずは「日盛り」。

 大学生の頃、ノートに詩を書き始めた。その最初にあったのがこの詩。当然、何を考えて書いたのかは全く覚えていない。部分的に散文詩になっていたり、韻文部分はレイアウトに凝ったり、「普通の」詩は書かないぞという気負いのようなものが感じられる。
 「日盛り」なのに空が暗いというのは、当時ハマっていたつげ義春の劇画のイメージではないかと思う。「海辺の叙景」にしろ、「ねじ式」にしろ空が異様に暗く、それが独特の雰囲気を齎しているのだ。山茶花の垣根という言葉が出てくるが、もちろん夏なので花が咲いているわけではない。何故この言葉を選んだのか今は覚えていない。いずれにしても実景ではない。イメージと字音だけに拘って作った詩のようだ。
 例によっての「鼻歌作曲」である。作曲のために作った詩ではないのに(しかも一部は散文)、一字一句改変せずに曲に出来た。

次に、「読書室で」という詩。

 この詩に出てくるのは、文学部の学部読書室である。大学三年の時、教職課程の授業が夜間にあり、学部の授業は早い時は午前中に終わってしまうため、ぽっかり空いた時間を持て余していた。ずっと喫茶店というわけにもいかないし、金はない。下宿生なら一度帰るだろうが、僕は実家から片道一時間半かけて通学していた。そこでこの読書室にはお世話になったのだ。もちろん詩の中身は全部妄想だ。読書室には外のスロープが見える窓などなかった。
 この詩は最後まで一度も句切れがない、一文になっている。曲は逆に言葉を断ち切るようなリズムにしてみた。動画は、手書きの同人誌の紙面を使い、白抜きにしてみた。意外に面白い効果が出た気がする。

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