鯖(サバ)・コン・カーン

食、趣味、その他

5月14日

 朝から雨の土曜日。買い物に出るのも億劫だ。ストック棚を探ると賞味期限を半年過ぎた鯖缶が二つ出てきた。一つは味噌煮、もう一つは醤油味だ。缶詰は錆びたりへこんだりしていると、期限内でも傷んでいることがあるが、それがなければ半年や一年過ぎても(理論上は)食べられるらしい。捨てるのももったいないので、念のために火を通して食べてみようと思う。

 最近は鯖缶ブームだそうで、思えば隔世の感がある。僕が子どもの頃よく食べたのは甘じょっぱい味の鰹のフレーク缶だった。隣家ではこれを猫に与えていたので、贅沢な猫だとよく言っていた。今思うとあんな味の濃い缶詰が猫に良いはずがない。隣の猫は短命だったのではないか。ペットフードなんて概念もない時代だった。
 もう少し高級なのが鮭缶。僕は中に入っている中骨をポクポク齧るのが大好きで、大人にねだってそれだけ食べていた。そういう人は他にもいたらしく、後には中骨ばかり集めた缶詰も出来た。
 ツナ缶をよく食べるようになったのはもう少し後ではないだろうか。当時はツナ缶と言わず、もっぱらシーチキン(はごろも缶詰の商標)と呼んでいたので、鮪とは思わなかった。初めて食べた時には美味さに感動したものだった。それが今や、鯖缶に抜かれたというから驚かされる。
 さて調理開始。玉葱1/2個のみじん切りをオリーブ油で炒め、さらに細かく切ったピーマン1個も加える。汁を切った鯖缶、固形量で200gほど(一応傷んでいないかよく目視し、臭いもチェックした)を加え、ほぐしながら炒める。豆板醬小さじ1、アンチョビペーストとおろしにんにく少々、ミックスビーンズドライパック1袋を入れ、無塩野菜ジュース150mlを入れて中火で煮る。最後にガラムマサラ小さじ半分程度を入れれば、鯖缶のチリコンカン風が完成。ソーダクラッカーがあればよかったのだが、ないので食パンを焼いて添える。元の缶詰の味がかなり甘いので、もう少しアンチョビを利かせてもよかった。粉チーズを多めに加えると味が決まった。ワインの飲みすぎには注意。

相変わらずビジュアルが悪い…。

追記
 タイトルの「鯖(サバ)・コン・カーン」について、友人から指摘を受けた。チリ・コン・カンとは「肉入りのチリ(ソース)」のことなので、これでは「肉入りの鯖」になってしまうと。うーむ。僕は鯖缶のチリコンカン風をちょっと気取って言ってみたつもりだったんだが。日頃ことばについて偉そうなことを言ってる身としては恥ずかしい…。「チリもどき・コン・鯖カーン」にすれば良かったか。まあ、自戒の意味でタイトルはそのままにして置く。

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