12月29日
「鼻歌を楽譜に出来るソフトの話」(11月24日)の続き。楽器が何もできず(唯一出来るのは小学校でやった縦笛=リコーダーだけ)、譜面の読み書きもできない僕がコンピュータの力を借りて作曲できないものかと思い、「シンガーソングライターLITE(以下、SSWL)」というソフトを試してみた。が、肝心の鼻歌入力がなかなかうまくいかず、苦闘の末なんとか「曲」らしいものが出来たというのが前回の話の終わり。
前回、画像として載せた楽譜には、「調」が設定されていないため、途中に♯や♭のような臨時記号がたくさん出てくる。しかもファの♯とソの♭が混在している(同じ音だ)。
本来なら「作曲」の初めに調を設定するのが当たり前なのだろうが、僕がやっているのは即興の「鼻歌」による作曲なので、後から「調」を設定することになる。コードの自動判定で最後の部分が「G」であること、ファがすべて♯になっているので、この曲はどうやら「ト長調(G)」らしい。スコアエディタ画面でト音記号のあたりをダブルクリックすると「スコアの設定」画面が出るので、その中の「調」から、[G]を選ぶ。これで臨時記号が消え、ト長調のきれいな楽譜になった(調の設定は何度でもやり直せる)。次にそれを「移調」してみた。カラオケと同じように、音の高さを変更できるのだ。メニューバーの「MIDIトラック編集」から「移調」を選択、上へ「2半音」を選ぶ。これで「イ長調(A)」に変わる。テンポも少し遅くしてみた。これはスコアの最初に書いてある「120」をダブルクリックして、打ち直すだけ。デフォルトは「♩=120」だが、これはかなり速い。鼻歌入力の際、メトロノームに従って歌うと、急き立てられているような感じがあったのを思い出した。歌詞も入力して、譜面調整エディタからプリントアウトすると、前回からは面目一新した綺麗な楽譜が出来上がった。
これに気を良くして、二曲目、三曲目も作ってみた。僕の詩はもともと曲をつけるつもりで書いてはいないので、一番、二番という風にはならない。音数(拍数)も揃えてはいないので、いわゆる同形反復型のメロディーがつけられない。だが、それが結果的に面白い効果を生んでいるように思えるところもある(自画自賛だが)。鼻歌入力の精度には相変わらず悩まされた。テンポを遅くし、キーボードウィンドウを表示して音程を確認しながら歌ってもなかなかうまくいかない。歌い出しが「ラ」のつもりが「シ♭」と表示されてしまったりする。一方、修正しながら楽譜を整えていくのはかなりうまくなった。三曲目ではイントロのメロディも自作してみた。
さて、とりあえず使ってみた「EZアレンジ」というのは、アレンジデータをパッケージにしたもので、「8ビート」「ロック」「フォーク」等と指定するとそれらしい伴奏を自動でつけてくれる。アレンジパネルやフレーズパネルというものを使えばもっと細かく作り込んでいくことが出来るようだ。SSWL内に収録されている様々なアレンジデータから好みのものを選んで張り付けていく作業になる(まだやってみてはいないが)。
余談だが、十数年前に勤務していた学校で、どういうツテがあったのか知らないが、プロの木管楽器奏者を招いて講演してもらったことがあった。講師は「つかみ」のつもりだろう、当時大人気のアイドルグループの楽曲に参加したエピソードを語った。自宅にリズム楽器の音だけが入ったデータが送られてきて、それに合わせて適当に何通りか吹いて送ってくれという依頼だった。完成した曲を聞くと彼が吹いた木管楽器のフレーズがデジタル処理されて使われていたそうだ。…そんな話を突然思い出した。音楽の作り方も時代で変わってゆくということなのだろう。
さて、出来上がった曲のメロディのトラックをミュート(消音)にすれば「カラオケ」になる。実際に歌ってその音声を重ねて録音することも可能。こんなことが7,600円のソフトで出来るのはすごいことだと思う。実際、こんなものが若い頃にあったら人生変わっていたかもしれない(そんなこたぁない)。
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