愛する「コルマカレー」

食、趣味、その他

7月15日

 今日は金曜日だが、ワクチン接種のため、夕食はデリーのコルマカレーにする予定。どういうことか説明すると、僕は健康のため、原則月曜と木曜を休肝日(酒を飲まない日)と決めている。さらに僕は無類のカレー好きなのだが、不思議とカレーの時はあまり酒を欲しないのだ。そこで毎週木曜日はカレーにしていたのだが、それを一日ずらして今日にしたということ。ワクチン接種後に酒を飲むなとはどこにも書いていないのだが、副反応が出やすいという二回目なので大事を取ることにした。コルマカレーならソースを鍋で温めるだけなので、仮に熱が出たとしてもすぐに作れるし、カレーなら食欲がなくても食べられる。
 デリーといえば、日本のインドカレーの草分けで、とりわけ激辛のカシミールカレーが有名である。つい先ごろもあるTV番組で、東京の有名カレー店の店主が選ぶナンバーワンカレーとして紹介されていた。僕とカシミールカレーとの出会いは高校生の頃、柏の「ボンベイ」であった。この店のドアのところに、当時はたしか「銀座デリー姉妹店」と書かれていたと記憶している。その頃僕が通っていた高校には、上級生が下級生を連れて、このカシミールカレーを食べさせるという、一種の通過儀礼のようなものがあった。そして、僕は何人かの中でただ一人このカレーを食べ切ることが出来、それからすっかり病みつきになってしまったのだった。大学時代は上野広小路のデリー本店でもよく食べた。ボンベイのカレーはその後独自の進化を遂げ、デリーのものとはやや離れていったようだが、当時の僕の感覚では両者は同じものだった。社会人になってからは店に行くことは少なくなり、デパートなどでパック入りのカレーソースを買って家で食べていた。
 ところが、寄る年波のせいか、このカレーを体が受け付けなくなってしまったのである。無理して食べると下痢をする。尾籠な話で恐縮だが、排泄の際、肛門の粘膜がスパイスで刺激されて二度辛い。あきらめて、同じデリーのカレーで、それまでほとんど食べたことがなかったコルマカレーに乗り換えた。するとこれが絶妙に旨かったのだ。辛さは数段マイルドだが、玉葱をじっくり炒めた味の深みといい、豊潤で複雑なスパイスの香りといい…。以来ずっとコルマカレー派だ。
 数年前、このコルマカレーの味が変わった。独特の苦みが少なくなり、スパイスがより際立ったのだ。ネットで調べたところ、製造工程を見直して店の味に近づけたのだそうだ。僕は若い頃はカシミール一本やりだったし、ボンベイにはコルマはなかったので、店でコルマを食べたことがなかったのだ。ちなみに今はネット通販で箱買いしている。具は入っていないので、牛肉の薄切りとマッシュルームをソテーして加えるのが我が家の流儀だ。
 僕も昔は一時カレー作りにはまっていた。市販のルーはもちろんカレー粉すら使わず、ホールのスパイスを揃え、毎回それを挽いていた。スープも鶏ガラや香味野菜等で取ったりしていたのだが、今はもうきっぱりやめてしまった。どんなに頑張って作ってもコルマカレーには勝てないからである。今、僕が作るのはスーパーで手軽に手に入る材料で、一時間以内で作れるお手軽カレーばかりだ。そのレシピもいずれ紹介してみたい。

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