音楽、絵画、ドラマ

奇跡のアルバム「HIROMIC WORLD」

4月10日  時々無性に聴きたくなるアルバムの一つに、郷ひろみの「HIROMIC WORLD」がある。半世紀近く前の1975年のアルバムだが、今聴いても全く古びていないどころか、その後のJ‐popなんかよりずっと新しいと感じる(もちろん僕個...
食、趣味、その他

家父長制の呪縛

3月31日  3月30日の朝日新聞・論壇時評は「『子育て罰』の国 家族観の縛り まず解かねば」と題する、林香里による最終回だった。「子育て罰」とは初めて聞いた言葉だが、「子育てをすると親子とも制裁を受けるかのような苦しさを味わうこと」であり...
詩、ことば、文学

気になる言葉「任用」

3月25日  「再雇用警察官」というTVドラマが(原作小説も)ある。高橋英樹扮する、窓際部署に配属された「再雇用」の元刑事が、持ち前の洞察力と現役時代に築いた人脈を使って鮮やかに難事件を解決するというお話。ただし勿論これはフィクションだ。な...
音楽、絵画、ドラマ

ガロ「憶えているかい」

3月12日  ガロと言えば、1970年代の初め、(最近ではソフトロックなどと呼ばれているようだが)それまでのフォークとは一線を画した都会的なサウンドと、洗練されたルックスで圧倒的な人気を誇ったグループであった。代表曲は「学生街の喫茶店」だが...
詩、ことば、文学

チャットGPTは文学を変えるか

最近、メディアでよく紹介されているチャットGPTは、文学作品制作の方法を変えてしまうのだろうか。
歴史、古文書

「世界は五反田から始まった」を読む

2月19日  この本を読む気になったのは、もちろん評判がいいからだが、もともと「五反田」という土地には愛着があった。著者言うところの「大五反田」(五反田駅を中心に半径2kmの円内)にある学校に十年ほど勤務していたし、円のすぐ外側の学校にも長...
音楽、絵画、ドラマ

バカラックがビートルズに逢った時

2月14日  「バカラックがビートルズに逢った時」という不思議なタイトルのアルバムがある。僕の手元にあるのは「筒美京平 BACHARACH meet THE BEATLES」の題で復刻されたもので、もともとは兄が持っていたCDだった。 先日...
詩、ことば、文学

「静かな生活」②

2月4日  (①から先にお読みください)伊丹十三による映画の方を見てみよう。原作小説は6篇の短編から成っているのだが、映画に採用されているのはそのうちの4篇だ。各エピソードはかなり原作に忠実で大きな改変はないが、バランスはずいぶん原作とは違...
詩、ことば、文学

「静かな生活」①

2月2日  先月、日本映画専門チャンネルで伊丹十三の没後25年を記念して、長編映画全十作品の一挙放映があった。そこで、「静かな生活」を録画して何度か繰り返して見た。伊丹には義弟にあたる、大江健三郎の連作短編集を原作とした映画である。 大江健...
詩、ことば、文学

いわゆる「差別語」について

1月27日  高校の国語教科書の定番教材に、芥川龍之介の「羅生門」がある。主人公の下人が羅生門の楼に上がると、そこにはおびただしい数の人の死体が打ち捨てられており、その死体たちが「永久に、唖(おし)のごとく黙っていた」という表現がある。この...