詩、ことば、文学

「鵼の碑(ぬえのいしぶみ)」まで

9月17日 京極夏彦の新作「鵼の碑」が刊行されるというので、シリーズ第一作の「姑獲鳥(うぶめ)の夏」から読み直している。今は五作目の「絡新婦の理(じょうろうぐものことわり)」を読んでいるところだ。実に面白い。読み始めると、一瞬にして初めて読...
食、趣味、その他

昭和ロンダリング

先日、久しぶりに学生時代の友人たちと飲んだ。そこから、当時の酒事情に思いをめぐらした。
詩、ことば、文学

気になる言葉「風評」

8月28日 この言葉を「小学館国語大辞典」で引くと、「世間であれこれ取り沙汰すること。また、その取り沙汰。評判。うわさ。風説」とある。ここで注意してほしいことは、ここには特に価値判断は含まれていないということだ。他の辞書も見ると、個性的な語...
食、趣味、その他

まさかのコロナ罹患

8月11日 なんと。コロナになってしまった。五類になって三か月というこの時期に。 旅行から帰った夜、変に鼻水と咳が止まらないと思った。翌日は朝から怠く、微熱があった。最初、直射日光に当たりすぎたせいかと思った。高原にいたので空気は冷涼だが、...
旅、人物

ホテルマウント富士

8月11日 このところ毎年八月の初旬に蓼科に行っている。今年はその帰路、中央道を甲府南インターで降り、国道358号線(精進ブルーライン)を走り、富士五湖を周遊した。そして山中湖畔の大出山に建つ「ホテルマウント富士」にもう一泊した。いかにもプ...
食、趣味、その他

「貧困」について

7月31日 7月26日朝日新聞の「耕論」は、「子どもの貧困 この10年」であった。これを読んで僕がこの間漠然と考えていたことが少しだけ像を結んだような気がした。 都立大教授の阿部彩は、2008年に「子どもの貧困」という本を出したときに、編集...
歴史、古文書

「帝銀事件と日本の秘密戦」

7月29日 今、音訳に取り組んでいるのは、「帝銀事件と日本の秘密戦」(山田朗著)という本である。この本では帝銀事件の捜査にあたった、甲斐文助捜査一課係長の「捜査手記」からの引用を中心に考察しているのだが、これを読んで731部隊や登戸研究所以...
詩、ことば、文学

詩とは何か

7月14日 「自称詩人」などと言っている僕だが、自分が書いているものが「詩」であると言い切る自信はない。そもそも何が詩で、何が詩でないのかよくわからない。 優れた詩とは暗唱できるものだという人がいる。僕も昔読んだ詩のうち、中原中也あたりだと...
詩、ことば、文学

小説の愉しみ

7月7日 村上春樹のごく初期の短編に「納屋を焼く」という作品がある。こんな話だ(ネタバレ)。「僕」はひとまわり近く若い「彼女」と知り合いの結婚パーティーで会い、仲良くなった。具体的には書かれていないが、この「仲良く」にはもちろん性的な意味も...
詩、ことば、文学

「溝ノ口」か「溝の口」か「溝口」か?

6月27日 音訳を始めてから、地名や人名などの固有名詞が以前より気になるようになった。難読の地名や人名、所謂キラキラネームなどよりも、ありふれた文字で読み方が幾通りもあるものの方が厄介だ。地名だと、「町」はマチかチョウか、「山」はヤマかサン...