詩、ことば、文学

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チャットGPTは文学を変えるか

最近、メディアでよく紹介されているチャットGPTは、文学作品制作の方法を変えてしまうのだろうか。
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「静かな生活」②

2月4日  (①から先にお読みください)伊丹十三による映画の方を見てみよう。原作小説は6篇の短編から成っているのだが、映画に採用されているのはそのうちの4篇だ。各エピソードはかなり原作に忠実で大きな改変はないが、バランスはずいぶん原作とは違...
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「静かな生活」①

2月2日  先月、日本映画専門チャンネルで伊丹十三の没後25年を記念して、長編映画全十作品の一挙放映があった。そこで、「静かな生活」を録画して何度か繰り返して見た。伊丹には義弟にあたる、大江健三郎の連作短編集を原作とした映画である。 大江健...
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いわゆる「差別語」について

1月27日  高校の国語教科書の定番教材に、芥川龍之介の「羅生門」がある。主人公の下人が羅生門の楼に上がると、そこにはおびただしい数の人の死体が打ち捨てられており、その死体たちが「永久に、唖(おし)のごとく黙っていた」という表現がある。この...
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横溝正史の「エログロ小説」

1月16日  書店で、横溝正史の「吸血蛾」を見つけて買った。没後40年記念として角川文庫から復刊されたものだ。巻末の編集部の注意書きが目を引く。そのまま引用すると、「なお本文中には、変性男子、びっこ、浮浪者、薄野呂、狂気、気が狂う、気ちがい...
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道徳の時間と「銀の匙」

12月24日  昨日の朝日新聞「声」欄に、「道徳の授業に正解はあるのか」という、高校生からの投稿が載っていた。彼女は小学生の頃の「道徳」の授業の思い出を綴っている。友達と大喧嘩した主人公がその友達から仲直りを持ちかけられるというシチュエーシ...
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気になる言葉「いやし」

12月20日  「いやし」という言葉が苦手である。もちろん「癒やし」のことだが、この言葉を聞くと脳が勝手に「卑し」と変換してしまう。実際、僕が最も信頼している辞書である、小学館の国語大辞典には、「卑し」はあるが「癒やし」は載っていない。手近...
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うでたまご

12月12日  冷蔵庫の中の卵が(生での)賞味期限を過ぎてしまっていたのでまとめて茹でた。その時ふと、「子どもの頃は『うでたまご』といっていたなあ」と思った。両親や周りの大人たちが普通に使う言葉だった。母は、ほうれん草や枝豆も「うでる」と言...
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ワールドカップと「羊の歌」

11月30日  ワールドカップサッカーの初戦で日本代表がドイツに勝利した後、TVの女性コメンテーターが「すごい優勝候補に勝つと、結構次は負ける」と発言して物議をかもしたという。彼女は元バドミントンの選手で、自分の経験を語っただけなのだが。そ...
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3冊の「のろわれた沼の秘密」

10月29日  「のろわれた沼の秘密」という本のことについては、過去に二回書いた。僕が小学校一年の冬、初めて読んだ本格的な「本」。少年少女向けとはいえ、二段組み、200頁の本を読むのは7歳の子どもには難しかったはずだ。なんとか読めたのはほと...