詩、ことば、文学

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「溝ノ口」か「溝の口」か「溝口」か?

6月27日 音訳を始めてから、地名や人名などの固有名詞が以前より気になるようになった。難読の地名や人名、所謂キラキラネームなどよりも、ありふれた文字で読み方が幾通りもあるものの方が厄介だ。地名だと、「町」はマチかチョウか、「山」はヤマかサン...
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気になる言葉「不倫」

6月17日 今や五才児でも知っている(?)「フリン」だが、僕がこの言葉を初めて知ったのは多分大学卒業よりも後だと思う。勿論、打消しの助字「不」に倫理の「倫」だから、字面さえ見れば「道徳に反すること」だくらいはわかる。が、そんな言葉を見たり聞...
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気になる言葉「~ぶり」

6月12日 この言葉は「気になる」というより、使うたびにいつも正しいのか不安になる。同じメンバーで年一回開催している会合があり、コロナ禍で休止していたのだが先日復活した。これを「○○ぶり」と言うべきか一瞬迷った。パスしたのは2回だが、前回の...
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「街とその不確かな壁」を読む

5月31日 僕は村上春樹の良い読者であるという自信はないが、とりあえずこれまで刊行されたすべての長編小説と短編集を読んでいる。ノンフィクションの「アンダーグラウンド」と「約束された場所で」も読んだ。最近では読み終えるたびに次はもうやめようと...
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気になる言葉「任用」

3月25日 「再雇用警察官」というTVドラマが(原作小説も)ある。高橋英樹扮する、窓際部署に配属された「再雇用」の元刑事が、持ち前の洞察力と現役時代に築いた人脈を使って鮮やかに難事件を解決するというお話。ただし勿論これはフィクションだ。なぜ...
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チャットGPTは文学を変えるか

最近、メディアでよく紹介されているチャットGPTは、文学作品制作の方法を変えてしまうのだろうか。
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「静かな生活」②

2月4日 (①から先にお読みください)伊丹十三による映画の方を見てみよう。原作小説は6篇の短編から成っているのだが、映画に採用されているのはそのうちの4篇だ。各エピソードはかなり原作に忠実で大きな改変はないが、バランスはずいぶん原作とは違っ...
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「静かな生活」①

2月2日 先月、日本映画専門チャンネルで伊丹十三の没後25年を記念して、長編映画全十作品の一挙放映があった。そこで、「静かな生活」を録画して何度か繰り返して見た。伊丹には義弟にあたる、大江健三郎の連作短編集を原作とした映画である。 大江健三...
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いわゆる「差別語」について

1月27日 高校の国語教科書の定番教材に、芥川龍之介の「羅生門」がある。主人公の下人が羅生門の楼に上がると、そこにはおびただしい数の人の死体が打ち捨てられており、その死体たちが「永久に、唖(おし)のごとく黙っていた」という表現がある。この箇...
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横溝正史の「エログロ小説」

1月16日 書店で、横溝正史の「吸血蛾」を見つけて買った。没後40年記念として角川文庫から復刊されたものだ。巻末の編集部の注意書きが目を引く。そのまま引用すると、「なお本文中には、変性男子、びっこ、浮浪者、薄野呂、狂気、気が狂う、気ちがい、...