詩、ことば、文学

「52ヘルツのクジラたち」は、完全なるキャラクター小説

9月12日  評判のいい小説なので読んでみた。評判通り面白かったし、感動もした。そして思った、これは完全なるキャラクター小説(僕の造語。登場人物がすべてキャラクター設定され、その枠内だけで行動する小説)だと。 授業で漱石の「こころ」をやると...
詩、ことば、文学

「鬼滅の刃」というタイトル

9月8日  最初に断っておくが、僕はこの作品を、映画・TVアニメ・漫画のどれ一つも全く見たことがない。だから当然、作品の内容をあげつらうつもりはない。ここで話題にしたいのは「鬼滅の刃」というタイトルについてである。いやむしろ、「鬼滅」という...
詩、ことば、文学

気になる言葉「におう」

9月5日  二十年余り前の話だが、TVで「これ、におってみ」と言っているのを聞いて意味が分からなかったことがある。しばらく考えて、「この匂いを嗅いでみろ」と言っていることは分かったが、このように「においをかぐ」という他動詞として、「におう」...
音楽、絵画、ドラマ

悲しき「帰ってきたウルトラマン」②

9月1日 (前項のつづき)  新聞のテレビ欄で「ウルトラセブン参上!」を見たときはびっくりした。マンとセブンは別の世界の物語だと思っていたからだ。早い話、セブンに科特隊は出ないし、アラシ隊員(石井伊吉=毒蝮三太夫)が、ウルトラ警備隊ではフル...
音楽、絵画、ドラマ

悲しき「帰ってきたウルトラマン」①

8月21日 大特撮展にて  庵野秀明は「帰ってきたウルトラマン」が好きだと、何かで読んだか聞いたかした記憶がある。そういえば、彼がプロデュースした、東京都現代美術館の特撮展でも、「帰ってきたウルトラマン」の特撮シーンばかりをマルチスクリーン...
歴史、古文書

目からウロコ 「倭」と「日本」は別の国だった②

8月19日   (「九州王朝」の話 つづき)  「魏志倭人伝」などの中国側の史料に現れる「倭」は、大和王権とは別の王権であったというのは、そんなに驚くべき考え方ではない。近畿天皇家のみが統治する正当性を持っているというのは記紀を通じた考え方...
食、趣味、その他

「42年前の映画」再生プロジェクト②

8月16日  (8ミリ映画再生計画 つづき)  予定通りなら、来週の今日にはデジタル化された8ミリ映画が届いているはずだ。もっとも、若い人たちには8ミリ映画といっても話が通じないと思われる。実際、以前若い同僚たちに話して、まったく伝わらなか...
食、趣味、その他

ふるさと納税とゆるキャラ

8月14日  昨日の朝日新聞に「『官製通販』見直しを」として、ふるさと納税制度を批判する社説が載っていた。全面的に賛成である。と同時に、いまさら感が半端ない。なぜ今までこんな当たり前のことが広く議論されてこなかったのか。この制度のおかげで世...
歴史、古文書

目からウロコ「倭」と「日本」は別の国だった①

8月10日  「倭」と書いて「やまと」と読む。例えばヤマトタケルノミコトを、日本書紀では「日本武尊」と表記するが、古事記では「倭建命」と書いている。ただしこの「やまと」という訓は、日本の側で勝手にそう読んでいるだけだ。歴代中華王朝の側から見...
音楽、絵画、ドラマ

「赤いスイートピー」に先行する名曲「海が泣いている」

8月2日  松田聖子の「赤いスイートピー」(松本隆作詞、呉田軽穂⦅=松任谷由実⦆作曲)といえば、昭和のアイドル歌謡の人気投票等では常に上位にランキングされる曲である。その詩の制作の秘密が明かされるというので、TV「関ジャム」を録画しておいた...