詩、ことば、文学

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川端康成「東京の人」

川端康成の生涯最長の作品である「東京の人」は、文句なしに面白い「新聞小説」である。文章も平易でおススメである。
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「悪魔の手毬唄」考③

映画をベースにして改変を重ねた結果、原作とはかけ離れてしまったドラマが多い。これから読む人は、先入観を持たすに向き合ってみてほしい。
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「悪魔の手毬唄」考②

市川崑による映画は名作だが、原作とはかなりテイストが違う。犯人を悲劇の主人公にするために結末を大きく改変しているのだ。
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「悪魔の手毬唄」考①

「悪魔の手毬唄」の魅力は、美しい山村の風景と風物にある。市川崑の映画がそのイメージを変えてしまった。
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福永武彦と信仰

池澤夏樹「また会う日まで」は小説か史実か。父福永武彦の出生の秘密とは。福永のキリスト教観とは。
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暮らしの中の関西弁

11月26日  川上未映子の(特に初期の)ものなどを読んでいると、関西弁のアドヴァンテージというものを感じる。町田康訳の「宇治拾遺物語」(池澤夏樹編集の日本文学全集で読める)など、むっさしょーむなくて抱腹絶倒。だが、もちろんこれらは使い手の...
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「のろわれた沼の秘密」

11月3日  小学校一年で読んで、大袈裟に言えば僕の生涯の一冊になった本。ホイットニー作・白木茂訳・三輪しげる絵。ニューヨークで暮らしていた13歳の少女スーザンが、避暑地の町でひと夏を過ごす。病気の父の転地療養のために父の故郷であるこの町に...
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「52ヘルツのクジラたち」は、完全なるキャラクター小説

9月12日  評判のいい小説なので読んでみた。評判通り面白かったし、感動もした。そして思った、これは完全なるキャラクター小説(僕の造語。登場人物がすべてキャラクター設定され、その枠内だけで行動する小説)だと。 授業で漱石の「こころ」をやると...
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「鬼滅の刃」というタイトル

9月8日  最初に断っておくが、僕はこの作品を、映画・TVアニメ・漫画のどれ一つも全く見たことがない。だから当然、作品の内容をあげつらうつもりはない。ここで話題にしたいのは「鬼滅の刃」というタイトルについてである。いやむしろ、「鬼滅」という...
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気になる言葉「におう」

9月5日  二十年余り前の話だが、TVで「これ、におってみ」と言っているのを聞いて意味が分からなかったことがある。しばらく考えて、「この匂いを嗅いでみろ」と言っていることは分かったが、このように「においをかぐ」という他動詞として、「におう」...